アトピーや肌荒れに。炎症を抑える「抗炎症作用」がもたらす健やかな肌環境

健康で美しい肌を保つことは、多くの人々にとって大切なテーマです。しかし、現代社会においては、ストレスや環境の変化、アレルギー体質など様々な要因が重なり、慢性的な肌荒れやアトピー性皮膚炎に伴う皮膚のトラブルに悩まされる方が少なくありません。これまでの一般的な美容ケアや皮膚科の対応だけでなく、近年では、より根本的な部分に着目するアプローチとして、細胞レベルでの健やかさを目指す「エクソソーム」を用いた美容や皮膚への応用が注目を集めています。

エクソソームは、細胞の間で情報を受け渡す重要なメッセンジャーとしての役割を担っており、皮膚の正常なサイクルやバリア機能の維持において深く関わっていることが分かってきました。本コラムでは、アトピーや肌荒れに悩む方に向けて、炎症を抑える「抗炎症作用」がもたらす健やかな肌環境の重要性と、それを支える先端医療の学術的背景、さらにはそのメリットやデメリットについて、医学的見地から詳しく解説してまいります。

❶ 繰り返す肌荒れは、皮膚細胞の「コミュニケーション障害」かもしれない

私たちの身体の表面を覆う皮膚は、外部のあらゆる刺激から体内を守るための精緻な構造を持っています。この皮膚の健康を維持するために重要な仕組みの一つが、表皮の細胞が一定の間隔で新しく生まれ変わるターンオーバーと呼ばれる代謝サイクルです。健やかな皮膚においては、基底層で生まれた新しい細胞が徐々に形を変えながら表面へと押し上げられ、最終的には角質となって剥がれ落ちていきます。この一連のプロセスが滞りなく進行するためには、皮膚を構成する無数の細胞同士が、お互いの状態を把握し合い、適切なタイミングでシグナルを出し合う必要があります。つまり、皮膚の美しさと健康は、細胞間の密接な情報伝達、すなわちコミュニケーションの成立によって成り立っていると言えます。

しかし、慢性的な乾燥や外的ストレス、あるいはアレルギー的な要因によって繰り返される肌荒れの状態では、この皮膚細胞同士のコミュニケーションに何らかの支障が生じている可能性が、近年の皮膚科学研究において指摘されています。細胞間でのシグナル伝達が正常行われなくなると、傷ついた組織の修復を促すシグナルが届かなかったり、逆に不要な炎症を長引かせる誤った情報が伝達され続けたりすることがあります。これが、いわゆる細胞のコミュニケーション障害と呼ばれる状態であり、これにより皮膚のバリア機能が低下し、些細な刺激でも赤みや痒みを生じる敏感な肌環境が作り出されてしまうと考えられているのです。表面的な保湿のみでは、この細胞間の根本的な伝達エラーを修復することは難しく、結果として肌荒れを繰り返す状態につながることがあります。

この細胞間コミュニケーションを補うための重要な要素として研究されているのが、細胞から分泌される直径50〜150ナノメートルほどの微小なカプセル状の粒子であるエクソソームです。エクソソームの内部には、細胞の働きに影響を与えるマイクロRNAやタンパク質、脂質などの情報物質が豊富に含まれており、これが標的となる他の細胞に届くことで、内部のメッセージが伝達されます。大学などのアカデミックな研究機関における近年のテーマとしても、健康な細胞から分泌されたエクソソームが、周囲の機能低下した細胞に対して働きかけるメカニズムが盛んに解析されています。エクソソームを介して細胞間のコミュニケーションを整える試みは、皮膚本来の環境をサポートし、繰り返す肌荒れの要因にアプローチするための新しい選択肢として位置づけられています。

❷ 過剰な免疫反応を抑え、肌のバリア機能を強化する役割

アトピー性皮膚炎や深刻な肌荒れを抱える皮膚の内部では、持続的な炎症が生じていることが知られています。炎症自体は、身体が異物やダメージを排除しようとする防御反応の一種ですが、アトピー性皮膚炎などの場合は、この免疫システムが過剰に働きすぎてしまうことが課題となります。本来であれば過剰に反応する必要のない些細な刺激や、自分自身の皮膚組織に対しても免疫反応が引き起こされ、これによって炎症に関わる物質が放出され続ける状態が生じます。この慢性的な炎症は、皮膚の最も外側で水分を保持し外敵を防いでいるバリア機能を構成する脂質やタンパク質に影響を与えてしまいます。その結果、皮膚はさらに乾燥し、刺激に対して過敏になり、肌環境がさらに乱れるという悪循環を招くことが考えられています。

このような皮膚の過剰な免疫反応を落ち着かせ、乱れたバリア機能をサポートするためのアプローチとして期待されているのが、エクソソームが有する抗炎症作用です。学術的な基礎研究の分野においては、特定の幹細胞から分泌されるエクソソームには、過剰に活性化した免疫細胞の働きを和らげ、炎症を誘導する物質の産生を抑える特性があることが報告されています。さらに、炎症が穏やかになるのと並行して、皮膚のバリア機能を形成するために必要な成分の働きを助けるシグナルが細胞に伝わり、皮膚全体の水分保持能力や防御力が整えられていくというメカニズムも研究されています。細胞外小胞という非常に微細な形態だからこそ、皮膚の組織に対して情報が行き渡り、免疫のバランスを整える役割を果たす可能性があると考えられています。

ただし、これらの抗炎症作用やバリア機能の強化に関する知見の多くは、現時点では主に培養細胞を用いた試験管内での実験や、動物実験といった基礎研究の段階において確認されているデータが中心です。個人の体質や生活環境、遺伝的要素が複雑に絡み合う人間の実際の皮膚において、同様の現象が確実にみられるかどうかについては、まだ完全に確立されたわけではなく、さらなる臨床データの蓄積が待たれている状況です。また、エクソソームを用いたアプローチは、特定の症状を強制的に遮断するものではないため、肌の生理的なサイクルに沿って段階的に環境を整えていくものであり、肌の状態が整うまでには一定の期間を要すると考えられている点や、個人の体質による差異があるという限界点(デメリット)が存在することも、客観的な事実として理解しておく必要があります。

❸ アトピー性皮膚炎の悩みに対する、先端医療の新しい可能性

アトピー性皮膚炎は、幼少期から成人期に至るまで、多くの人々を長年にわたって悩ませ続ける慢性的な皮膚の課題です。その強い痒みや、赤み、皮膚の乾燥といった症状は、外見上のストレスだけでなく、日常生活の快適さや睡眠の質など、生活の全体的なバランスに影響を与える要因となります。アトピー性皮膚炎の対応においては、皮膚科での標準的な治療によって急性期の炎症をコントロールすることが極めて重要であり、現在も医療の主軸として位置づけられています。これらの治療によって症状の安定を図る一方で、日々のスキンケアや体質的な要因による肌のゆらぎに長年悩まされ続ける方も少なくありません。このような背景から、標準治療を補完するような視点、あるいは皮膚のコンディションを根本的な部分からサポートする新たな選択肢として、細胞の仕組みを応用した先端医療への関心が高まっています。

先端医療におけるエクソソームを用いた研究は、アトピー性皮膚炎という複雑な状態に対して、細胞の対話力を整えるというアプローチを提示しています。国内外の大学や先進的な医療機関で発表されているアカデミックな研究論文によれば、健康な生体由来の幹細胞から得られたエクソソームを皮膚組織に適用することで、慢性的な炎症によって影響を受けていた皮膚細胞が本来の環境を取り戻し、自己修復プロセスがサポートされる可能性が示唆されています。具体的には、皮膚の保湿に不可欠な天然保湿因子の元となる成分の産生が促されたり、皮膚の構造を支えるコラーゲンなどのバランスが整えられたりすることで、アトピー特有の乾燥や硬くなった皮膚の質感を和らげていく可能性が、研究段階において示唆されているのです。

しかし、ここで重要なのは、この先端医療の知見に基づくエクソソームを用いた方法は、現代の公的医療保険が適用される標準治療の枠組みには含まれていないという点です。現時点では、効能効果が一般に承認された医薬品や医療技術ではないため、すべての施術が自由診療(保険外診療)となります。そのため、受ける際にかかる経済的な負担が大きくなりやすいという大きなデメリットがあります。また、確立された標準治療に代わって単独で疾患を完全に治癒させるものではなく、あくまで既存の適切な対応と組み合わせながら、肌のベースを整えるための補助的な選択肢であるという位置づけを正確に把握しなければなりません。個人のアレルギー状態や皮膚の状況によっては適用が適さない場合や、一時的な皮膚の反応が生じる可能性も考慮し、慎重に判断する必要があります。

❹ 低不純物・高純度へのこだわり:当院が採用するエクソソームの質

先端医療の分野において、エクソソームを応用した美容や皮膚のケアを行うにあたり、その結果や安全性を考慮する上で重要となる要素が、不純物の低さと純度の高さです。エクソソームは、細胞を培養した際にその上清液中に分泌されるものですが、単純に培養液を回収しただけでは、目的とする純粋なエクソソームの他に、細胞が排出した不要な代謝産物、細胞の破片、あるいは培養液に含まれるタンパク質など、多量の不純物が混ざり合っています。もし、これらの不純物が多く含まれた状態のものをデリケートな皮膚や肌荒れの箇所に導入してしまうと、それが新たな刺激物となり、かえって予期せぬ皮膚トラブルを誘発してしまう懸念が生じます。だからこそ、どの程度まで不純物を排除できているかという基準が極めて重要になるのです。

当院では、皆様の皮膚に適用するものであるからこそ、この不純物の排除と高純度化に対して細心の注意を払っています。当院が採用しているエクソソームは、簡易的な分離だけでなく、高度な超遠心法や分子サイズによる分離、さらには特定の成分を認識して精製する高度な技術などを組み合わせた、厳格なプロセスを経て製造されたものです。これにより、不要なタンパク質などの不純物を極限まで低減し、有用な情報物質を内包したエクソソームのみを高い密度で濃縮した製剤を使用することにこだわっています。大学のアカデミックな基礎研究においても、精製度の高いエクソソームほど細胞への伝達がスムーズに行われることが示唆されており、この品質への配慮が肌環境を整える上での客観的な指標になると考えています。

ただし、いかに高度な技術によって低不純物・高純度化された製剤であっても、それが生物由来の組織や細胞の培養プロセスを経て作られている以上、人工的に合成された化学物質とは異なる特有の性質があります。それは、個人の持つ免疫特性との相性によって、ごく稀に一過性の赤みや熱感、軽微な腫れなどが生じる可能性が完全にゼロではないという点です。また、こうした徹底した品質管理と高度な精製技術を維持するためには、製造におけるコストがかかるため、それが施術費用に反映されるという経済的な側面でのデメリットも生じます。当院では、こうした品質に対する取り組みを行うと同時に、現在の先端医療における限界やコストに関する情報についても、誤認を招かないよう、客観的かつ誠実に提示することを大切にしています。

まとめ:細胞から整えることで、揺るがない健やかな肌へ

アトピー性皮膚炎や、季節の変わり目ごとに繰り返す深刻な肌荒れは、多くの方にとって深い悩みであり、表面的なスキンケアや一時的な対処だけでは、なかなか解決の糸口が見出せない複雑な問題です。近年の皮膚科学研究や先端医療の進化によって、これらの肌トラブルの背景には、皮膚細胞のコミュニケーションの乱れや、過剰な免疫反応による慢性の炎症が存在している可能性が考えられています。このような背景の中、細胞間のシグナルを整える役割を持つエクソソーム活用し、炎症を穏やかに鎮める抗炎症作用を促すアプローチは、皮膚のバリア機能を根本的な土台からサポートし、外部の刺激に揺るがない健やかな肌環境を育むための、美容や皮膚医療における新しい選択肢として期待されています。

ステムヒーラ日本橋クリニックでは、単に新しい美容技術を導入するだけでなく、常に医学的見地と大学等のアカデミックな研究成果に基づいた、安全で誠実な先端医療を提供することを理念として掲げております。当院の治療方針において最も大切にしているのは、医療広告ガイドラインをはじめとする各種法令を厳格に遵守し、期待できる可能性だけでなく、現段階における研究の限界や自由診療に伴う費用、個人の体質による差異といったデメリットやリスクに関しても、客観的な事実を事前に入念に説明することです。誇大表現や断定的な表現を完全に排除し、科学的根拠のレベルに見合った説明を行うことが、皆様との信頼関係を築くための基本であると考えております。

私たちの目標は、アトピーや肌荒れによる悩みに寄り添い、皆様がご自身の皮膚に本来備わっている環境を細胞レベルから整え、長期的な視点で安定した健やかな肌環境を育んでいただくことです。そのために、当院では徹底して低不純物・高純度にこだわった製剤を厳選し、一人ひとりの肌状態に合わせたアプローチを心がけています。先端医療がもたらす新しい可能性について、ご興味をお持ちの方や、これまでのケアでなかなか満足のいく結果が得られなかった方は、どうぞお気軽にステムヒーラ日本橋クリニックまでご相談ください。私たちが医学的知見をもって、健やかな肌づくりをサポートいたします。

※ステムヒーラ日本橋クリニックについてもっと詳しく:https://stemhealer.jp/


エクソソーム治療におけるリスクと留意事項

  • 未承認医薬品等について:本治療で用いるエクソソームは、国内の薬機法において承認された医薬品ではありません。医学的効果については現在世界中で研究が進められている段階であり、確立された標準治療とは異なる点をご理解ください。
  • 個人差について:体質や病状により反応には個人差があり、期待される変化が得られない場合があります。
  • 副作用のリスク:投与後に発熱、倦怠感、発疹などのアレルギー反応が生じる場合があります。
  • 品質の非均一性:エクソソームは製造方法や濃度によって品質に差が生じやすく、常に一定の均一性が保証されているわけではありません。
  • 長期安全性の未確立:数年単位での長期的な安全性や身体への影響については、十分な蓄積データがまだ存在しません。
  • 全額自己負担:本治療は公的医療保険の適用外となる自由診療です。
  • 適応の判断:事前の診察において、基礎疾患や服薬内容により治療の適応外と判断させていただく場合がございます。
  • 入手経路等:本治療に用いるエクソソームは、国内の細胞加工施設(特定細胞加工物製造施設番号:FA5250001)にて製造されたものです。
  • 国内の承認医薬品等の有無:本治療と同一の成分・性能を有する、国内で薬機法上の承認を得た医薬品はありません。
  • エクソソームを⽤いた治療は、諸外国においても医薬品として承認された実績はありません(2026年4⽉現在)。現在、各国で臨床研究・治験が進⾏中の段階です。主なリスクとして、アレルギー反応、注射部位の感染、発熱等が海外⽂献において報告されています。

1ml = 22,000円(税込)

投与方法:点滴(4〜10ml)
※お支払いはクレジットカードかQR決済のみ対応(現金不可)

○初診料:3,300円 
○点滴:88,000円(4ml) 〜 220,000円(10ml)

本治療は自由診療(保険適用外)となります。
※上記価格には、カウンセリング料、手技料等が含まれます。

本治療に使用するエクソソームは国内の薬機法上の承認を得ていないため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。医師が事前に詳しくご説明した上で、治療を実施いたします。

プライスについて、もっと詳しく

監修:平林大輔

東京大学医学部健康科学看護学科卒|群馬大学医学部医学科卒|医師、看護師、保健師|日本専門医機構認定 産婦人科専門医
看護師として臨床勤務後、医学部に再入学し医師となる。市中病院にて産婦人科医として研鑽を積む。エクソソームに出会ったあとは、その可能性に惹かれ治療に取り組む。延べの診察人数は3500名以上、直近1年間では1800名以上にのぼる(2026年2月現在)。特に脳性麻痺や急性脳症後遺症、自閉症といった子どもたちの診療に力を入れている。
【資格・所属学会】日本産婦人科学会|日本細胞外小胞学会
※数値は2026年2月現在の当院電子カルテ集計による